麻布十番「永坂更科」

 日本人たるもの大晦日といえば年越し蕎麦ですが、そんな時にピッタリの麻布十番「永坂更科」をご紹介しようと思います。このお店は寛政の始めよりルーツを持つ老舗でして、非常に蕎麦が美味しい名店です。

 流石に大晦日の今日は混んでいるだろうということで、ゆっくり食べられる平日の夜にいったのですが、どうやら正解。空いている店内で落ち着いて食事ができました。
 さて、こちらの蕎麦はざるでも、蕎麦の実の芯で打った「御前」、蕎麦の実を石臼で挽いた「生粉打ち」、抹茶を練り込んだ「お茶切り」など3種類から好みの蕎麦が選べるこだわりよう。「生粉打ち」も好きなのですが、上品な「御前」も捨てがたく、この日は野菜天とえび天が付いた「天御前」を頼むことに。

 しばらくすると蕎麦が運ばれてくるのですが、「あま汁」と「から汁」という2種類のつけだれも一緒に用意してくれます。好きな方で食べても良いし、混ぜても良し。好きな味わいで蕎麦を堪能できるのが嬉しいところです。
 この日は「から汁」で御膳蕎麦をいただくことにしました。つけだれに軽く蕎麦をつけ、たぐるように食します。上品な味わいと、つるつるっとした喉ごしがたまりません。さらに熱々の天ぷらは一口食べるとさっくりほくほく、蕎麦といいコンビを組んでいますよ。
 あっという間に平らげ、そば湯で一息つく頃には「日本人で良かった」なんて思えてしまうかも。若干少なめかなという分量ですが、そば湯が井の中に収まる頃には実にちょうど良い満腹感が得られます。

 実は今日、「持ち帰りもあるし、年越し蕎麦は永坂更科の蕎麦を買おうかなあ」とか思ったのですが、テレビ中継で偶然このお店の中継をやっていまして。ものすごく混雑していたので諦めました。ま、大晦日じゃなくても蕎麦は美味しいしね。

麻生十番 「永坂更科」(公式サイト)