麻布十番「NaniwayaCafe(浪花屋カフェ)」

 かつて六本木ヒルズに通っていた頃、好みのお店は派手な六本木ではなく、閑静な麻布十番に集中していました。その中でも名曲「およげ! たい焼き君」のモデルになった「浪花屋総本店」のたい焼きは実に美味しく、仕事が早く終わった後の楽しみに道草をしてよく買ったものでした。
 ふとそんなことを思い出したら無性にたい焼きが食べたくなり、たい焼きが食べたい一心で麻布十番までふらりと出かけてみることに。

 「浪花屋総本店」は少し前から工事中(というか、あそこしばらく工事していると思うんですけど、新しい店舗できるんですかね?)のため、系列店である「NaniwayaCafe(浪花屋カフェ)」へ向かいます。「浪花屋総本店」の工事が始まる前に、たい焼きを焼く設備が店先に増設されたので、味は保証付きです。

 店先に掲げられているのれんが歴史を感じさせます。そもそも「浪花屋総本店」の創業は明治42年。初代神戸清次郎が大阪(浪花)出身であったため、「浪花家総本店」としてお店を開いたことに始まります。以来、伝統の製法を守りたい焼きを焼き続けて今日に至るわけですが、もちろん他の甘味も充実。「NaniwayaCafe」ではじっくりと席に座って甘味を楽しめますが、たい焼きを頬張りながら冬の麻布十番を歩くのもまた乙なものです。

 見よ、この見事なたい焼きを! 「浪花屋」の良いところは常に焼きたてのたい焼きが食べられるということですね。しかもこのたい焼き、薄く香ばしい皮の中に、頭からしっぽの先まで程よい甘さの粒あんがぎっしり詰まっています。このあんこがまた風味が良く、しつこくないのですね。冷めてももちろん美味しいのですが、できれば焼きたてを味わいたい逸品です。歴史と伝統を感じさせる本物のたい焼き、本当にオススメです。


「NaniwayaCafe(浪花屋カフェ)」 MAP麻布十番温泉斜め向かい)